230 likes | 354 Views
結膜弛緩症の治療戦略・・縫着法 横浜相鉄ビル眼科医院 院長 大高 功. ● 縫着法による結膜弛緩症の治療は、我々が世界で最初に発表し、 American Journal of Ophthalmology に掲載された。. 結膜弛緩症とは. ● 弛緩した結膜が、通常下眼瞼上にしわを作っている状態. 結膜弛緩症で発生する問題. ● 流涙・・・下のメニスカスに結膜がのっているので、そこを 伝わって涙が外に出てくるから ●結膜下出血・・・皺になった結膜中の折れ曲がった血管がまばたきでこすられることにより血管が切れるから
E N D
結膜弛緩症の治療戦略・・縫着法横浜相鉄ビル眼科医院 院長大高 功結膜弛緩症の治療戦略・・縫着法横浜相鉄ビル眼科医院 院長大高 功
●縫着法による結膜弛緩症の治療は、我々が世界で最初に発表し、●縫着法による結膜弛緩症の治療は、我々が世界で最初に発表し、 American Journal of Ophthalmology に掲載された。
結膜弛緩症とは ●弛緩した結膜が、通常下眼瞼上にしわを作っている状態
結膜弛緩症で発生する問題 ●流涙・・・下のメニスカスに結膜がのっているので、そこを伝わって涙が外に出てくるから ●結膜下出血・・・皺になった結膜中の折れ曲がった血管がまばたきでこすられることにより血管が切れるから ●異物感・・・皺になった結膜の頂上をまばたきのたびにこすることによる刺激による
患者さんからのお手紙によると、やはり効果があるようだ。患者さんからのお手紙によると、やはり効果があるようだ。
我々が注目した解剖学的特長 ●Fornixが浅くなっている。 ●結膜の強膜への接着が弱い
我々の考えた原因 ●普段の手術でも実感するとおり、加齢によってテノン嚢は減少する。このため、結膜の眼球に対する接着が弱くなり、下眼瞼で押し上げられた結膜がしわになる。 ●加齢により皮膚にしわができるがごとく、結膜自体も伸びていつことは確か。
●上を向いたときには上眼瞼は上がるが、下を向いたときに下眼瞼は下がらないので、下方の球結膜とfornixに、より強いストレスがかかり、結膜の接着が悪くなるのではないか。●上を向いたときには上眼瞼は上がるが、下を向いたときに下眼瞼は下がらないので、下方の球結膜とfornixに、より強いストレスがかかり、結膜の接着が悪くなるのではないか。 ●下には長年汚れた涙液が貯留しているので、上より強いストレスがかかっていることも関係していると思われる。
治療法 切除法と縫着法がある
切除法 ●利点・・・容易 ●欠点・・・特にない
縫着法 ●利点・・・再建手術であること。 ●欠点・・・縫着時に、穿孔しないように 気をつける必要がある。
縫着法のコンセプト ●結膜を強膜に縫着することにより、再接着を図り、ぴんと張った結膜と、下の深いfornixを再建する。 ●糸の選択を工夫することにより、糸がとれてからも永続的な接着を目指す。
●tractional sutureを置くことがお勧め ●8-0シルク糸で下結膜と強膜を3から6針縫着する。 縫合は必ず2-1-1で。2-1だとすぐ脱落して、意味をなさない。ナイロン系の糸だと、炎症が起こらないので永続的な癒着が得られない。バイクリルは炎症が強すぎて、術後しばらく、患者さんの異物感が強い。(paperではバイクリルと発表したが、その後の検証でこの結論に到達。まだ改善の余地あり)
●強膜は浅くすくうだけで十分な接着が得られる。 厳密にはテノンをすくっているだけかもしれない。 ●limbsから6ミリ程度の場所。よく見るとfornixがしっかりわかるので、その場所に通糸する。 ●穿孔には注意すべきだが、数多くの網膜剥離手術時の体験より、強膜を穿孔しても、網膜まで穿孔することはまずない。
●術後の目薬は、抗生剤と0.1%フルメトロンのような弱いステロイドを1日3~4回。ステロイドが無いほうが強い炎症を起こして癒着を得やすいと思われるが、患者さんの異物感が出ることが多い。ステロイドを使用しても、十分に癒着が得られる。●術後の目薬は、抗生剤と0.1%フルメトロンのような弱いステロイドを1日3~4回。ステロイドが無いほうが強い炎症を起こして癒着を得やすいと思われるが、患者さんの異物感が出ることが多い。ステロイドを使用しても、十分に癒着が得られる。
●深いFornixが再形成される ●もちろん、うまくいけば、だが・・・ ↓
大高のあくまで個人的なこだわり 私は眼手術のプロとして、どんな手術でも、 可能な限り再建にこだわる。 よって、縫着法を選択している。 縫着した上で、どうしても余分と判断した 結膜が残った場合、そこを切除するにとど める。