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破壊基準. 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAE コース ’13.10.25. 材料内部の発生応力が材料自体の強さに達すると その材料は破壊する。 金属のような延性材料は破壊の代わりに降伏し変形し機械の機能を失う。この応力が降伏応力 σ y σ u =P/A で棒を引っ張った場合、A面に平行な面に σ u =P/A が作用し破断する。この σ u を引っ張り強さ という。. 破壊(変形)は応力がどの状態になった時に起きるか? 現実は3次元で考える必要がある。. 1)最大主応力基準(破損包絡面).
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破壊基準 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 材料内部の発生応力が材料自体の強さに達すると その材料は破壊する。 金属のような延性材料は破壊の代わりに降伏し変形し機械の機能を失う。この応力が降伏応力 σy σu=P/A で棒を引っ張った場合、A面に平行な面に σu=P/A が作用し破断する。この σuを引っ張り強さ という。 破壊(変形)は応力がどの状態になった時に起きるか? 現実は3次元で考える必要がある。
1)最大主応力基準(破損包絡面) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 3個の主応力のどれかが引張り強さに達したら破損する。=脆性材料(ガラス)
2)最大せん断応力基準(延性材料=金属) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 モールの円は主応力は90度で交差し 最大せん断力は主応力と45度をなすことを示している。 延性材料は σu に応力が大きくなる前に耐力 σy で降伏(塑性変形)する。そしてその値は σuの約半分である。 一軸引張り実験をするとリューダースラインが観察でき、その傾きは45度である。 (この塑性変形は刃状転移の移動の結果と言われている。) 実験結果から、 延性材の場合、材料はまず最大せん断応力面で塑性変形をおこすことが示される。 モールの円 τmax σ2=0 σ1 最大せん断応力面で滑りが真っ先に起きる。
最大せん断応力基準(その2) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 • 最大せん断応力基準 降伏応力が τyの材料の場合 となるような主応力が 生じたとき降伏する。 単純一軸引張りの場合 :トレスカの降伏条件
最大剪断応力基準の破損包絡面(トレスカの降伏条件)最大剪断応力基準の破損包絡面(トレスカの降伏条件) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 線図の範囲以内なら材料は降伏せず健全
トレスカの降伏条件:演習 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 図のような内圧がかかる薄肉円筒型圧力容器(タンク)がある。 発生応力は 周方向: σθ=pr/t 軸方向: σx=pr/2t 材料の降伏応力σy=240(MPa) r=240mm、t=12mmの時 トレスカの降伏条件より容器の降伏限界圧力を求めよ。 (解:12MPa、軸と平行に破断線が入る)
3)せん断歪エネルギー基準(1) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 3次元等方性体応力歪関係は 単位体積当たりの歪エネルギーUは
せん断歪エネルギー基準(2) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 U= 式に という恒等式を代入。 Uは全歪エネルギ、 Uvは体積変化を伴う歪エネルギ Udは体積変化を伴わない歪エネルギ これらの式を主応力で表現すると τ はゼロとなり次のように書ける。
せん断歪エネルギー基準(3) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 今、このエネルギーのうちせん断歪エネルギUdがある値になると降伏するという考えがある。 つまり、 一軸で考え、 σ1=σe(相当応力=一軸でいう降伏応力), σ2=σ3=0 とするなら、
せん断歪エネルギー基準(4) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 右辺の計算結果(ミーゼス応力)が 一軸の実験で得られる降伏応力 σe になると降伏現象が発生する。 2次元で考えやすくするため σ2=0 とすると、
せん断歪エネルギー基準(5) 長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 45°座標変換すると楕円となる。 y x 図に示すように実験結果は最大せん断応力説より最大歪エネルギー説に近い線が得られている。=>ミーゼス応力は降伏が始まるかどうかを チェックしている。
長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 4)ミーゼス応力(剪断歪エネルギー基準を3次元で考察) 応力は座標軸の取り方を工夫すると各主応力を軸方向とする3次元空間が考えられる。 P点は3軸の主応力で表した点であり、M点は3軸の主応力が全て等しい、静圧状態の点を結んだ点である。 P-Mの距離Lは Pが決まっているときの最短のLは となり、3主応力の平均の静水圧点 σm のM点で与えられる。
長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 さらに原点からMに向かうベクトルとベクトルSの内積をとると、 よって、Sベクトルは静水圧応力軸に直行する。
長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 次に、S の長さは ここで、1軸引張りを仮定すると、 なので 今、σ1 が耐力 σe で在ったなら これ以上Sの長さが大きくなり円柱の外側になると材料は変形するようになる。 水圧などは3主応力とも等しいので S の長さはゼロとなる。
長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 前ページの補足: したがって s の長さが体積変化せずに単なる剪断変形による変形エネルギーの指標になっているのである。 既に示した円柱が σ1、σ3 軸でできる平面での断面が2軸の場合で交線は したの式で与えられることを示した。 y x この式より、円柱の半径が直接断面に現れる y軸は楕円の短軸となっ ていて で与えられる。長軸は で、最大せん断応力説 の包絡面の角を通って居る。
長岡モノづくりアカデミー 3D-CAD/CAEコース’13.10.25 ミーゼス応力の工学的意味 延性材料の降伏現象(変形すること)を実験で確認するには1軸引張りで確認するしかないが、現場で1軸の応力状態はまずない。そこで計算で求まった結果を1軸と比較する方法が必要。 するとミーゼス応力が 1軸の引張りのときの降伏応力と同値になるので この応力で降伏現象の始まりを評価しているのである。 実験的にも2次元で確認しても、正しそうである。 つまり、静圧では降伏しないが、せん断変形によるエネルギーに関係する、ミーゼス応力が、1軸引張りの降伏応力と等しくなったら変形が始まるのである。 ミーゼス応力の使いやすいポイントは、ある接点なり要素が決まるとその場で量(スカラー)で与えられることである。これにより降伏応力と比較する等の比較が感覚的に理解しやすい。