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北京オリンピック後の中国経済の行方. 富山大学大学院企業経営( MBA )教授 中国政府社会科学院特別高級研究員 清家彰敏. 経済を切る視点. 企業がどのように振舞うかで経済は大きく変わる。 多くの政治家、評論家は企業を知らないで経済を論じている? それは 戦闘(企業)を知らないで戦略(経済)を語る のと同じ。 政府+企業で経済を語ろう。 金融危機は強国、優良企業にとってチャンス 強者が残り、拡大し新しい経済になる。. 欧米は今後 20 年の暗黒の時代へ?. 2007 年夏時点世界の投機資金は 157 兆ドル サブプライムなどの信用収縮で 2008 年半減
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北京オリンピック後の中国経済の行方 富山大学大学院企業経営(MBA)教授 中国政府社会科学院特別高級研究員 清家彰敏
経済を切る視点 • 企業がどのように振舞うかで経済は大きく変わる。 • 多くの政治家、評論家は企業を知らないで経済を論じている? • それは戦闘(企業)を知らないで戦略(経済)を語るのと同じ。 • 政府+企業で経済を語ろう。 • 金融危機は強国、優良企業にとってチャンス • 強者が残り、拡大し新しい経済になる。
欧米は今後20年の暗黒の時代へ? • 2007年夏時点世界の投機資金は157兆ドル • サブプライムなどの信用収縮で2008年半減 • どこまで収縮するか? • 1929年世界恐慌では株価は10分の1になった。 • 信用収縮の影響で欧米経済は衰退? • 20年の長期低迷? • 弱者の欧米?、強者の中国、日本企業?
世界経済の今後の成長はプロジェクトへの繋ぎ資金が鍵世界経済の今後の成長はプロジェクトへの繋ぎ資金が鍵 • 世界の成長の牽引車はインフラ、資源、工業団地などの大規模プロジェクト? • アジア中東欧新興国の大規模プロジェクトへ投機資金、2兆ドル近い「短期調達のドル建て外貨借り入れ」が投入され世界経済は成長してきた。 • 2009年欧米などからの新興国へのマネー供給は3千億ドルへと2007年比で半減する。 • プロジェクトの多くは繋ぎ資金に困る。 • 繋ぎ資金を提供することができる強者は、中国政府と日本企業?
頼みは中国政府と日本企業? • 中国は「強い政府と自由な経済」で発展 • 2兆ドル近い外貨準備高(ただし、1兆円の負債がある)。 • 自動車やエアコンの需要減で鉄鋼生産は前年比9.1%減(2008年9月) • 欧米の低迷で欧米企業からの技術移転が停滞(欧米留学組による起業の低迷) • 台湾系企業はベトナムへ、香港系企業は地方へ(人件費が半減する) • 地方、内陸部への大規模投資と工場移転が内需を支える。欧州系企業の内陸部のインフラなどへの投資が大きかった。これが低迷するか?
さて、このような時代… • 北京オリンピック後の中国経済はどのようになっていくか? 考えてみたい。 中国政府は強い、 中国企業の経営者との連携がキーワードとなる。 政府+企業それが北京後の中国経済の行方である。
中国経済の現状 • 中国経済は2007年4月から6月期の前年同期比12.6%増でピークを打って • 中国政府は過熱を抑えるため、金融引き締めを行い、賃金上昇、株価の暴落なども伴い、景気は減速した。輸出の伸びの鈍化で広東省などでは業種によっては40%の企業が倒産とも報道されている。オリンピック後不況と金融危機が同時に起こったのか? • しかし、上半期の税収が50兆円と日本の年度の税収を上回るなど、財政黒字を武器に大規模な投資を行い(4兆元・・)、中国国内でのプロジェクトを継続することにより8%以上の成長が可能である。
中国政府と国有大企業グループ168社は経済政策で一体?中国政府と国有大企業グループ168社は経済政策で一体? • 中国政府は国有大企業グループ168社(中央企業(央企)と呼ばれる)と一体であると考えられる。 • 中央企業と政府は人事交流も密接である。 • 中央企業は中国政府の政策に従い、収益増は政府の歳入増に繋がる。 • 石油が下がれば、中国石油企業3社は膨大な利益を上げ、歳入増へ繋がる。
国有と外資工業における企業の比較国有企業は以前はコスト意識が薄かったが近年利益が出る体質になってきた。しかし税収負担の中心となってきた(2003年)この傾向は外資優遇策が消えていく現在も基本的に変化していない。国有と外資工業における企業の比較国有企業は以前はコスト意識が薄かったが近年利益が出る体質になってきた。しかし税収負担の中心となってきた(2003年)この傾向は外資優遇策が消えていく現在も基本的に変化していない。
中国国有大企業と内資の状況 • 利益は外資より低い • 税収は内資特に国有大企業グループが負担 • 雇用も内資が負担 • 技術集約は外資が強い。 • 労働集約、資本集約は内資が強い • どのような経営者が経営を行っているか次に分析してみよう。清家・馬『中国企業と経営』角川書店参照
経営層(役員)の実態参考は経営者(社長)調査2002年経営層(役員)の実態参考は経営者(社長)調査2002年
経営者が若い • 経営者が40代後半、経営層が30代後半と • 若いことは経済を転換させ危機を乗り越える大きな力である。
中国政府と企業の連携 • 社会の財を増やすことに価値を感じる経営者の存在はオリンピック後の不況と金融危機が同時に襲う可能性がある中国経済にとって大きな意味を持っている。 • 経営戦略は政府、地方政府との連携が強いことを示している。
外資の状況 • 2005年現在約28万社の外資企業 • そのうち9%程度が日本企業と推定、日系企業約2万5千 社が存在する。欧米はケイマンなどの実質欧米系企業も加えると約30%を超えると思われる。 • 欧米経済が金融危機で低迷すれば、経済の半数近くを占める外資の30%の活動が低下して、中国経済の15%程度は影響を受けることになる。 • 国内と輸出は中国政府の4兆元などの金融危機対策で大きな恩恵を受ける。
中国の将来 • 旧ソ連諸国のベトナム、カザフスタン、モンゴルといった中国の隣接地域は経済相互援助会議(コメコン)の国際分業で産業が偏在化し、製造業を担う技術者と広い科学分野を育ててこなかった(一橋大学関満博)。 • そこへ中国の安価な商品が雪崩的輸出を行い。隣接地域は中国商品に覆われ自前の工業は育たなくなる(一橋大学関満博) 。 • この波は隣接地域から世界へ広がり、アフリカ、インドへも及び、他の新興国の製造業の成長は阻害される可能性がある。 • 欧米企業が強い間は、中国以外の国家へ欧米の投資が及び、成長する国家が出るが、欧米が弱ったことにより、中国の成長はむしろ加速されるかもしれない。 • 原理は、中国から買うのと、自前の産業を育成するのとどちらが国家のコストが「安い」かである。
日本と中国の世界での競争 • 欧米が弱体化すると、日本企業と中国政府は競争的関係になる? • 世界各国は、中国製品を買うか、日本企業他の外資を導入して自国の国内産業を育成するコストを下げ競争できるようにするかの選択を迫られる。 • 世界各国が産業を育成するコストを下げない限り、中国の輸出の波は納まらない。
中国経済の2つの将来予測 • 中国のGDPは貿易と相関(輸出入の2倍がGDP) • 1.貿易主導拡大型の継続(欧米で主流) ①欧米への輸出ドライブ②GDP成長③世界の資源・エネルギー・食料の高騰④資源・エネルギー・食料国の購買力の向上⑤中国の輸出先の拡大(資源・エネルギー・食料国への輸出)⑥輸出ドライブ⑦GDP成長 • 2.技術主導安定成長への転換(中国で主流) ①欧米への輸出ドライブ②GDP成長③エネルギーの高騰④欧米との貿易摩擦⑤知識付加型製品の開発⑥技術主導持続的成長⑦国外進出(貿易代替・現地雇用確保)⑧GDP安定成長
中国企業は2000年前半から海外展開が顕著になった。長期的な中国経済の未来は?中国企業は2000年前半から海外展開が顕著になった。長期的な中国経済の未来は? • 1)企業の対外直接投資額(金融を除く)は増大し、発展段階へ入った。しかしいまだ低いレベルではある。 • 1994-2003年の10年間、中国企業の対外直接投資額は2001年を除き毎年20-30億ドルであったが、それ2004年以降急拡大し2006年に176.3億ドルへ達した(年間増加率83.6%)。 • 2006年の対外直接投資は世界のわずか1%に過ぎない。2006年の対外直接投資額と外資導入額(733億ドル)の比率は0.23、先進国の平均1.19より低く、発展途上国の平均0.46よりも低い。 図1中国企業の対外直接投資額(金融を除く)
2)中国企業の対外直接投資の増加は非常に速いが、必ずしも国際競争力の高まりとは言えない。2)中国企業の対外直接投資の増加は非常に速いが、必ずしも国際競争力の高まりとは言えない。 • 中国企業の対外直接投資は主に6つの業界に集中している。採鉱業40.4%、ビジネスサービス業21.4%、金融業16.7%、交通運輸及び倉庫業6.5%、卸売りと小売業5.2%、製造業4.3%。 • 採鉱業の対外直接投資の目的は主に国内のエネルギー他の資源需要を満たすためである。 • 金融業、交通運輸業、卸売り小売業の対外直接投資は製造業等の対外貿易支援サービス拠点網づくりである。 • 製造業の対外直接投資の比率は比較的低い。 • ビジネスサービス業の投資先は不明確である。 • 中国企業の国際化は国内の経済活動の必要性から行われたものが多い
3) 央企(中央政府直轄企業)が対外直接投資の主体であり、これは政府の政策による行動3) 央企(中央政府直轄企業)が対外直接投資の主体であり、これは政府の政策による行動 • 央企が対外直接投資(非金融)に占める比率は、82%(2004年)、83%(2005年)と86%(2006年)であった。以下は2006年に中国で対外直接投資量が上位30位に入った企業である。赤字は央企以外の地方政府直轄企業か民営企業。 1 中国石油化工集団公司 央企 2 中国石油天然气集団公司 央企 3 中国海洋石油総公司 央企 4 華潤(集団)有限公司央企 5 中国移動通信集団公司 央企 6 中国远洋運输(集団)公司央企 7 中国中信集団公司 央企 8 中糧集団有限公司 央企 9 招商局集団有限公司 央企 10 中国中工集団有限公司 央企 11 中国建築工程総公司 央企 12 中国航空集団公司 央企 13 中国電信集団公司 央企 14 中国海運集団総公司 央企 15 中国ネット通信集団公司 央企 16 広東粤港投資控股有限公司地方国企 17 中国電力投資集団公司 央企 18 上海自動車工業(集団)総公司地方国企 19 中国化工集団公司 央企 20 中国五鉱集団公司 央企 21 聯想控股公司 国有企业22 深業(集団)有限公司地方国企 23 中国対外貿易運输集団総公司央企 24 華為技術有限公司 私営企業 25 宝鋼集団有限公司 央企 26 中国華能集団公司 央企 27 中国中鋼集団公司 央企 28 中国保利集団公司 央企 29 中国有色鉱業集団有限公司 央企 30 海爾集団電気産業有限公司集体所有制
4)中国企業において、国際経営は始まっているが、グローバル経営はまだ少ない。4)中国企業において、国際経営は始まっているが、グローバル経営はまだ少ない。 • (1)海外(香港含む)で事業活動をする中国企業が増えてきた。 • 「第11次五カ年計画」(2006-2010年)の末までに対外直接投資が300-500億ドルまたはそれ以上に拡大する可能性が高い。 • 中国売上上位500社の約60%は2005年以前から様々な海外での事業活動を始めていた。 • 国際化率の高い産業においては、一部の大企業の海外売上高はすでに境内を上回り、海外に数箇所から数十箇所の生産、研究開発、販売と貿易の拠点を持っている。 • 現在国内市場中心の企業も国際連携も重視している。 • 2007年の企業調査では、海外投資と国際経営を非常に重視している。 • 国家政策の新動向:海外投資志向、中国外国為替投資会社の創立
表1 企業調査(2005年) 注:1.機関分布の国家の数;2. TTEはTCL家電製品を生産・販売する事業会社;3.ノックダウン工場を含む;4. 2006年時点で、ヨーロッパ4、米国2、イスラエル1、日本、韓国それぞれ1つ建てる予定。また15の海外の情報センターを創立した;5.地域本部数で、下部組織に販売サービスネットワークがある;6. 2社は鉱山会社で、1社は機械製品会社である。
3.中国企業の国際化モデル • 海外で上場し、M&Aのは中国企業の国際化の重要なモデルである。 • ●2006年にM&Aの方式で82.5億ドルの直接投資を実現し、当時の海外投資流量の39%を占めた。その中、非金融は70億ドルで、金融は12.5億ドルである。 • ●M&Aは主に資源、電気通信、家電、石油化学工業、紡織、自動車領域に集中している。 • ●M&Aの地区は発展途上国を重視している。 • ● 多くの企業は海外企業の技術資源のM&Aを通じて、自らのコア技術とグローバルブランドの育成と目標している。 • ● 融資を目的としての海外投資が多い(特殊な目的会社)
4.存在する問題 1. 政策により海外投資を行いやすくなる環境づくり 第一、投資しやすい環境づくりを促進し、海外投資の管理体系を整備する。海外投資計画を制定し、海外投資産業へのガイドラインを作る。 第二、金融政策を加速する。例えば、外国為替市場を発展し、外貨規制を緩め、中国金融機関の海外機関の設立と発展を励まし、多国籍経営のため、便利なサービスを提供する。 第三、政府の国際調整作用を強化する。業者協会の役割を強化し、海外での中国企業間の悪質な競争を防止し、下げる。 第四、海外投資の安全な保障を強化する。例えば、海外投資リスクファンドを設立する。 第五、海外経済貿易合作区の創立を推進する。
企業の体制の強化 • 1)戦略を明確に • 企業の発展戦略に適合している国際化戦略を採用する • 国際経営のモデルは、企業の実態と結びつかなければならない。発展段階に合わせ、国際化モデルを選択する。 • 2) 事前準備 • 国際化人材:観念、技能(言語、意思疎通と文化、専門) • 現地の法律、人的資源、人文社会環境及び市場の理解 • 技術と管理(コストの上昇と人民元の持続的に値上がりの中での生き残り)
2.中国企業の海外のM&Aは産業によって異なる2.中国企業の海外のM&Aは産業によって異なる • グローバル化の程度の高い中国IT電子と家電産業企業のM&Aは市場、効率、戦略資源を獲得するモデルである。そのM&Aの優位は主に中低級品の製造、技術能力とマーケティング能力である。 • 石油化学工業と鋼鉄業において、国内市場の成長する余地が大きく、リーダー企業(宝山鋼鉄、中国石化)は国際先進企業と技術の開きがあるが、世界的に中核技術がすでに成熟しているので、企業の総合的実力の開きはより小さく、市場は現在国内(一部の高級品の市場を含む)に向かい、M&Aの重点は資源と技術の獲得である。 • 機械電力事業のM&Aは技術、ブランドと販売チャネルで、内外市場がターゲットである。 • 軽工業と紡織工業のM&Aは技術、ブランドと販売チャネルで、海外市場を重視する。
第17回共産党大会は「中国企業国際化」の戦略方針を決定した。第17回共産党大会は「中国企業国際化」の戦略方針を決定した。 海外投資と合作方式を革新し、企業が研究開発、生産、販売等の方面において、国際化経営を行うことを支援し、わが国のグローバル企業と世界的な有名ブランドを育成することを加速する。 これは長期的な課題となる。
国際化する中国企業を理解するために 1. 中国企業は世界を目指している。世界NO1。欧米の最新鋭設備の導入と欧米の大学との連携(経営者教育+共同研究) 2. 中国の社会インフラは欧米と連携して作られている(金融危機ではリスクの連鎖となる)。 首創の北京の総経理はカナダ国籍 例えば、フランスは200億ドルも中国国内の水道事業へ投資 3. 中国企業は倒産しやすい。しかし、建て直しも早い 消費者苦情で玩具の輸出が二桁成長が成長率0.8%へ鈍化、30%が倒産(広東省は世界の玩具の3分の2を生産:2007年9月) 成長率が横這いで30%倒産。成長がマイナスになると!!!! しかし、北京オリンピック後の不況の現在 倒産した企業を買ってビジネスをしたい人は大勢居る。 古い設備を買いたい人も大勢居る。 4. M&Aに抵抗が無い。 5. 日本企業は国内と国外が明確に区分できる。中国企業にとって国内と国際の差は少ない。
北京の開発 政府と首創集団他は欧米志向でのインフラ整備北京の開発 政府と首創集団他は欧米志向でのインフラ整備 • 2008年オリンピック開催前に、軌道交通の総延長は300キロ • 今後20年から30年内に、北京市が毎年軌道交通建設に約100億元を投じる • 北京市市長の劉淇氏は、「北京は目下大規模な軌道交通建設を進めているが、都市鉄道を経営する公司は一社しかなく、そのため実力を持つ外国の企業がより多く北京の軌道交通建設に参与することを期待している」と語った。 • 北京首創集団、北京地下鉄総公司及び北京国有資産投資経営公司など3社の国内公司がカナダのSNC-LAVALIN社と北京地下鉄五号線建設協力取決を結んだ。中国側の3社の企業は25億元を共同出資し、カナダ側は15億元を出資する。 • 北京建工集団とドイツの(B+B)社は、1995年に創立された合弁企業――北京長城(B+B)建築工程有限公司に7500万元を増資し、その資本金を1億元に増やすことを明らかにした。この中独合弁公司は今後北京の地下鉄、電鉄、トンネルなどの工事を重点的に建設する。 http://www.bjreview.cn/JP/2002-41/china41-1.htm
都市部は技術・サービス・金融と連携、地方は製造業と連携 • 中国は都市部は工場より本社、研究開発拠点を誘致したがっている。 • 欧米と連携した本社、外資アジア本社、シンクタンク、研究開発機関、コンサルタント、会計、法律事務所、金融と情報通信、サービスが集積し、街が大改造されている(清家馬『中国企業と経営』角川書店)。 • 中国の工場設備は地方へ移転(売却)されている。 • 中国では工場設備の転売の市場があり、古い設備でも旧製品製造のニーズがあるより奥地?なら次々売れるので、転売されていく。米国の西部劇の時代のように、東海岸(上海・江蘇省)から奥地、西へどんどん転売されていく(西部開拓)。 • 外資による工場生産は現在は中国全体の半数以上を占めている。 • 新規立地はベトナム、インドが中国より有利と考えらているので、今後外資の製造業が中国へ工場を作るプロジェクトは急激に減ってくる。 • 外資がベトナム、インドへ撤退した後は生産代替を中国企業が行っていく。 • 貿易構造は現在は欧米向けが中心であるが、欧米向け商品の余剰生産力は東南アジア、中央アジア、アフリカ、中東向け商品へ急速に転換されている。その旺盛な経営意欲の主力は中国民間企業である。
中国は日本の1960年代から1970年代に似ている。中国は日本の1960年代から1970年代に似ている。 • 東京オリンピック1964年 北京オリンピック2008年 • 大阪万国博覧会1970年 上海万博 2010年 • 列島改造論(田中角栄総理)の時代に似ている? • 企業の海外進出、都市部の研究所ブーム、工場の地方展開も日本と似ている • 松下幸之助の国土埋め立て、拡張論 • 新幹線で日本中を結ぶ(中国の現在の構想と同じ)
日本の技術主導安定成長への移行のきっかけ • 70年代初頭は,米国の経済力の衰えが,ドルと金の兌換を停止したニクソンショック(71年)や固定相場制から変動相場制への移行(73年)によって,顕在化した時期であった。当時の日本経済は,国内には環境・公害問題を,対外的には鉄鋼からカラーテレビへと拡大した貿易摩擦を抱えており,産業構造の転換を迫られていた。73年の石油危機は,安い価格で資源を輸入し重化学工業中心の工業製品を生産するという経済構造を持つ日本にとっては大きな打撃を与えることになった。しかし,これらの世界的なショックを契機に,日本の産業は国際競争力を弱めるどころか,逆に,それらを乗り切ることで,一段と産業構造の高度化を進め,国際競争力を強化した。例えば,当時の日本でエネルギーの6割以上を消費していた産業部門は,省エネ,省資源,省力化を強力に推し進め日本経済のエネルギー消費構造を一変させた。鉄鋼,化学などの素材産業では,製造プロセスの機械化,製品の高付加価値化を加速させた。自動車,電気機械などのその後の日本のリーディング産業が日本経済の主役として舞台に躍り出たのもこの頃であった。 http://www.chusho.meti.go.jp/hakusho/tsusyo/soron/H10/02-03-01.html
貿易主導のGDP成長からの脱却(技術主導、海外進出)貿易主導のGDP成長からの脱却(技術主導、海外進出)
技術導入は研究開発初期を援ける。日本の支援は研究開発費を節約?技術導入は研究開発初期を援ける。日本の支援は研究開発費を節約?
上海万博の意味? • 中国経済は加速している。東京オリンピックは1964年、大阪万博1970年、その間6年あった。北京オリンピック2008年、上海万博2010年と考えると、中国の成長は日本よりも3倍早いとも見做せる。圧縮成長である。さて、日本では石油ショックが1973年にあった。中国では2011年石油ショック?と話すと皆笑う。
中国の経済 • 日本の経済を「モノトーン経済」とすると、中国は「ハイブリッド経済」だ。中国人を中心としたビジネスはGDPの約半分で、残りの半分は様々な外資の企業活動が占めている。中国は経済の主役が多い。例えば日本企業が中国から撤退したとしても他の国の企業でカバーすることができる。
中国企業の役割 • 中国の政官は強い。強い政府と自由な経済が中国の発展の原動力といわれる。中国の産業指導層は、日本の経団連のようなモノトーンではない。米欧、日本、東南アジアの海外リーダー、中国、香港などのプロパーのリーダーが多様、多層の競争組織を構成している。様々な国籍の産業リーダーがアイデアを出し合い、どうインフラを作っていくかを考えている。多様なエリート同士が競争しているのが中国なのだ。
中国企業の体質 • 国家を組織・人的資源論で説明すると、日本は国際人材、政官、産業指導層の3つが歴史を見ても弱く、未来もこの3つが強くなることは考えられない。中国は逆に強く、特に国際人材は非常に豊富だ。日本のように国内トップクラスの学校で学んだ人材が、研究者以外ほとんど日本にいるといった現象は中国にはない。中国トップ大学の同級生の半分は海外へ行っている。
中国経済の今後と日本企業の戦略 • 中国の指導層に5000年の統治原理があるとすれば、それは中国の未来を創造する企業、人材は、中国でもどの国の企業、人材でも構わないといった大陸の大らかさかもしれない。中国史そのものである。中国の産業指導層は、国家を問わず、ビジネスチャンスに対し戦闘的に、世界を又にかけディスカッションを行い、世界の何処が面白いかを常に探している。
オリンピック後の中国経済 • 中国政府が内外のプロジェクトへ積極的に投資、融資を行い世界経済を支える。そのもうひとつの主役は財務が健全な日本の優良企業である。 • 短期的には近隣諸国などへの輸出ドライブも可能で経済は8%以上の成長が可能 • 長期的には安定成長を日本型で果たす可能性が高い。
中国企業理解のために • コア・コンピタンスは販売・組織・戦略能力 • 組織は「職能組織」で分業しての生産活動には向いている。しかし、イノベーションに向いた組織ではない。多角化、自主ブランド、自主技術開発には、事業部制など日米欧企業のような組織に革新される必要がある。 • その鍵は経営者と人材 • 従業員福祉が弱いと忠誠心が育たない。