1 / 71

下田研究室 伊藤 洋介  見目 庸  菅原 啓

下田研究室 伊藤 洋介  見目 庸  菅原 啓. Establishment of a Versatile Method for Systematic Studies of High-Spin and Long-Lived Excited States in Nuclei around Double Magic Nucleus 56 Ni. ( 56 Ni 周辺核の高スピン・長寿命励起状態を研究するための効率的な方法の確立). 目次. 目的と動機 実験場所と検出器 実験手順と結果 解析 まとめ 今後の課題. 実験目的・動機.

Download Presentation

下田研究室 伊藤 洋介  見目 庸  菅原 啓

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 下田研究室 伊藤 洋介  見目 庸  菅原 啓 Establishment of a Versatile Method for Systematic Studies of High-Spin and Long-Lived Excited States in Nuclei around Double Magic Nucleus 56Ni (56Ni周辺核の高スピン・長寿命励起状態を研究するための効率的な方法の確立)

  2. 目次 • 目的と動機 • 実験場所と検出器 • 実験手順と結果 • 解析 • まとめ • 今後の課題

  3. 実験目的・動機 さまざまな励起状態の原子核の構造はどうなっているのか? 不安定な原子核は放射線を出して安定な原子核に崩壊する。 ⇒今回は特に、アイソマーとよばれる   特異な状態に着目する。 52Fe γ線 これらの放射線を測定して 原子核の構造を探る!

  4. アイソマーとは? 長い寿命を持った核の励起状態のこと 普通の励起状態の寿命→10-13~-15秒 アイソマーの寿命→10-9秒 ~ 数秒 ~ 数時間のものもある!!

  5. 動機 • 二重閉核56Ni周辺の原子核では高スピンで長い寿命を持つ状態(アイソマー)が観測されている。 • 特に52Feは半減期46s、スピン・パリティが12+という高スピンのアイソマーが確認されているが、それよりスピンの大きい状態はまだ知られていない。 • これをクーロン励起させればアイソマーより上のスピンの大きい準位を測定し、核構造についての議論が可能となる。

  6. 今回の実験では、 • 56Ni周辺核の高スピンアイソマービームをつくる。 ⇒今回は特に52Feを見る。 • 高スピンアイソマービームを、強度・純度を高く、収束を良く輸送する。

  7. 反応過程 γ線 γ線 反応生成物 44Sc 40Ar+natMg→64Zn* 52Fe 55Fe 50V 56Co 50Mn 54Fe 48Cr n p 核融合 40Ar natMg 64Zn 52Fe Pb α γ Ge検出器

  8. 一次ビームのエネルギーを決める • CASCADEというシミュレーションソフトで計算 • 52Feの生成量、S/Nが大きくなるエネルギーを選択 (MeV/u)

  9. 核融合反応の生成物 • 適切な反応を選んでも様々な核種が生成する。 • 52Feの反応断面積はわずか0.139%。 CASCADEの計算結果による 生成核種の見積もり 多くの核種の中から アイソマーだけを選び出し、 さらにS/Nよく目的の核種の γ線を検出してやる必要がある。

  10. 実験場所 大阪大学核物理研究センター(吹田キャンパス)     →RCNP(Research Center for Nuclear Physics) 東実験室のENコース(二次ビームコース) 加速器: AVFサイクロトロン 東実験室 AVFサイクロトロン

  11. ENコース 寿命の長い生成核からの 放射線のみ測定できる ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 反応 γ線測定 40Arビーム Pbキャッチャー 飛行距離:16m 飛行速度:~0.07c 飛行時間:~700ns S/Nよくアイソマーからのγ線を観測できる。

  12. ENコース ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー 双極電磁石 磁場をかけてビームを曲げることで 52FeとBrが異なる粒子を分離する。 ここで1次ビームをきる。

  13. ENコース ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー Alディグレーダー エネルギー損失のE,Z依存性を利用して 粒子のBrを変え、D2で分離できるようにする 二次ビームのエネルギーを調整する

  14. ENコース ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー 双極電磁石 磁場をかけてビームを曲げることで 52FeとBrが異なる粒子を分離する

  15. 双極電磁石とディグレーダー • 双極電磁石 • ⇒Brの違いで粒子を分ける • p: 運動量 • q: 価数 • ディグレーダー •  ⇒エネルギー損失がEとZに依存 • Z: 陽子数   • M: 粒子の質量 その他の粒子 ディグレーダー B:磁場 D1 D2 52Fe Bρが違う r: 曲率半径 ディグレーダーで目的核の電荷も分布しS/Nは上がるが強度が減ってしまう。 ディグレーダーが無い場合の光学系と比較する必要がある

  16. ENコース 四重極電磁石 レンズのような働きをし、ビームを収束させる ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー

  17. ENコース F2チェンバー 位置感応型ガス検出器PPAC、 半導体検出器SSDが入っている。 SSD PPAC ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー

  18. ENコース ディグレーダー natMg ターゲット SX1 SX2 Q4 D1 D2 Ge検出器 Q3 Q5 Q2 Q6 Q1 Q7 SX3 F1 F0 F2 40Arビーム Pbキャッチャー 二次ターゲット位置 Pbキャッチャーを設置しアイソマービームを止める。 周りにはGe検出器を配置。

  19. Ge検出器 F2 Pbキャッチャー • Ge検出器(ゲルマニウム検出器) • 高いエネルギー分解能を誇る検出器。 • 生成核からのγ線を測定する。 • 合計10台Ge検出器を使用。 • うち6台BGOアンチコンプトンシールド付 全検出効率=0.8%(@1333keV)

  20. 実験手順 ①52Feが増えるように双極電磁石の磁場を調整した。 ②2次ビームの収束を良くするため、   四重極電磁石の磁場を調整した。 ③ディグレーダーを入れる場合と   入れない場合をTOF-Eとγ線測定により比較した。 ⇒最もよい条件を確定し、その条件でγ線を測定した。

  21. ①一次ビームを双極電磁石で切る • 一次ビームは質量が軽く、natMgでのエネルギー損失が低いため高エネルギーでBρ値も高い。 • これを利用してD1の双極電磁石で一次ビームを切る。 一次ビーム 二次ビーム

  22. 双極電磁石の磁場の調整 3000 2000 1500 1000 500 0 50 100 200 150 • 52Feが増えるように双極電磁石の磁場を調整する。 目的のエネルギー領域 散乱された一次ビーム 2次ビームのエネルギー(MeV) 2次ビームのエネルギー(MeV)

  23. 双極電磁石の調整 • 双極電磁石の磁場を7点振った。 • 予測される52Feのエネルギーのカウントレートが最も多くなった磁場にセット。 このBρ値に設定した。 (T・m)

  24. ②四重極電磁石の磁場の調整 • 四重極電磁石を調整し、ビームが最も収束する値を選んだ。 PPACでビーム像を確認しながら調節した。

  25. ③粒子識別 • 飛行時間TOF-二次ビームのエネルギーEをプロット • 核種の質量数を識別することが可能。 LISEによる

  26. ディグレーダーなしの粒子識別 • 斜線状の模様が出来なかった。 ⇒粒子を分離することができず、粒子識別することができなかった。

  27. ディグレーダーありの場合 • ディグレーダーで1次ビームが切れた。 • S/Nが上がりTOF-Eの粒子識別が可能になった。 ⇒TOF-Eを用いて目的とする粒子が最も多くなるような   条件をさがすことができる。 49Sc15+12+ 49V18+15+,50V18+15+ 49V17+14+ 44Sc15+12+

  28. ディグレーダー有無の比較 F1にAl 9μmのディグレーダーを設置したときのGe検出器のスペクトル ディグレーダーあり 測定時間 1時間 counts ディグレーダーなし 測定時間 8時間 ch

  29. γ線測定の条件の決定 双極電磁石 ⇒52Feが最も多くなる値に設定。 四重極電磁石 ⇒2次ビームが最も収束する値に設定。 ディグレーダー ⇒ 今回は52Feの収量を重視し、                ディグレーダーは入れないこととした。 ⇒ この条件の下、γ線を8時間測定した。

  30. γ線解析

  31. Ge検出器のスペクトル 44Sc 50Mn 53Fe 52Fe 52Fe 43Sc 54Fe 52Fe 50Mn 53Fe 43Sc 54Fe 53Fe 52Fe 54Fe 54Fe 54Fe 500 3500 3000 1000 1500 2000 2500 Energy (keV) 今回の実験で決定した条件において、8時間測定したγ線のスペクトル ⇒ 多くのアイソマーからのγ線が見えている!! counts

  32. 54mFe 3432 146 2500 2000 3000 3500 500 1000 1500 Energy (keV) counts

  33. 52mFe 1200 1800 1600 2000 1400 869 2037 counts Energy (keV)

  34. 生成したisomer 7+ 12+ 19/2+ 10+ 5+ 2+ 3+ γ崩壊するisomer β崩壊するisomer 7+ 19/2+ 6+ β崩壊する方向

  35. isomerの強度 42mSc 7+ β-decay 61.7s 27.4 pps 43mSc 19/2- γ-decay 470ns 数10 pps 3/2+ γ-decay 438μs 44mSc 6+ γ-decay 58.6h 4350 pps 46mV 3+ γ-decay 1.02m 86.5 pps 50mMn 5+ β-decay 1.75m 124 pps 52mFe 12+ β-decay 46s 29.0 pps 52mMn 2+ β-decay 21.1m 261.8 pps 53mFe 19/2+ β-decay 2.58m 395.4 pps 54mCo (7)+ β-decay 1.48m 329.6 pps 54mFe 10+ γ-decay 364ns 274.8 pps 寿命 強度

  36. Isomerの強度 1000pps~ 100~1000pps ~100pps

  37. ディグレーダーによるアイソマー強度の変化

  38. 53mFe 1500 1000 2000 2338 counts 701 1011 1328 Energy (keV)

  39. γ線強度比 701keVと同時計測されたγ線スペクトル 1011 2338 counts Energy (keV) γ線強度比

  40. アイソマー探し γ1 γ2 検出器2 検出器1 普通の崩壊 γ1 検出器の時間差スペクトル γ2 同時 検出器2 が遅い 検出器2 が早い counts アイソマーの崩壊 γ1 ① ② ③ アイソマー γ2 0 - + 時間差 検出器の時間差=検出器1-検出器2 ⇒②に見える。 ⇒①に見える。 ⇒①の領域にアイソマーのγ線が見える可能性がある。

  41. 10000 counts counts 1000 8000 -8000 200 460 0 -460 -200 時間差(ns) γ-γの時間差スペクトル 時間差スペクトル この領域のγ線をみる。 460ns ~ 8μs遅れて観測されたγ線を見る。

  42. 35 15 Counts -5 1500 Energy(keV) 1500 1600 1700 1800 1400 1300 1434keV 460ns ~ 8μs遅れて観測されたγ線スペクトル 1434keV 460ns ~ 8μs遅れて見えた γ線のスペクトル 時間差-200ns~+200nsの領域のγ線スペクトル ⇒52Cr

  43. 52Mnのアイソマーからのβ崩壊 アイソマーはいない

  44. 52Mnの基底状態からのβ崩壊 アイソマーはいない 数百ns ~ 数μsのアイソマーはいない。 ⇒数μsの新たなアイソマーの可能性

  45. まとめ 用いた反応は40Ar+natMg→64Zn* ENコースを用いて質量数42~54領域9種の高スピンアイソマーを生成した。 目的とした52mFeを30pps、54mFeを270pps、 44mScを4×103pps生成した。 53Feの2338keVと1011keVの新しい強度比の結果が出た。 新しいアイソマー発見の可能性。

  46. 今後の課題 2次ビームとしてクーロン励起では103個、核融合で104~105個の強度が必要。 粒子識別により、さらにS/Nを向上させより適切な磁場の値を求める。 新しく見つけられたアイソマーの核種の同定。

  47. おわり

  48. PPAC • Delay Line方式によるもので~105[cps]耐えられる。 • charge division型では~104[cps]しか耐えられない。 • Delay Line方式の方が位置分解能が良い。 • エネルギー損失が少なく低エネルギーでも扱いやすい。

  49. DSSD • 全体で50mm四方のSSDを縦と横にそれぞれ16分割した物を2枚重ね合わせたもの。 • 50÷16≒3[mm]の位置分解能で粒子を検出できる

  50. CASCADEによる計算 • 52Feが多く生成される一次ビームのエネルギーをCASCADEというシミュレーションプログラムから求めた。 • 6.5[MeV/u]が妥当だがそれだと二次ビームがPPACを貫通しないので9.0[MeV/u]にした。

More Related