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ホームレス問題. 東京学芸大学 鈴木亘. ホームレスの分布状況 ホームレスの生活(墨田区、全国調査) ホームレスの就労問題(墨田区) ホームレスの健康問題(検診調査) 政府の対策 自立支援事業の課題(墨田区調査) 生活保護の課題(西成調査). ホームレスの分布状況. 都市の中の分布状況(鈴木亘「小地域情報を用いたホームレス居住分布に関する実証分析」 , 2004 年 10 月 , 『 季刊・住宅土地経済 』No.54,pp. 30-37 、
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ホームレス問題 東京学芸大学 鈴木亘
ホームレスの分布状況 ホームレスの生活(墨田区、全国調査) ホームレスの就労問題(墨田区) ホームレスの健康問題(検診調査) 政府の対策 自立支援事業の課題(墨田区調査) 生活保護の課題(西成調査)
ホームレスの分布状況 • 都市の中の分布状況(鈴木亘「小地域情報を用いたホームレス居住分布に関する実証分析」, 2004年10月, 『季刊・住宅土地経済』No.54,pp. 30-37、 • 鈴木亘「GISを用いたホームレスの生活圏分析と都市政策」,2003年4月,山崎福寿・浅田義久編「都市再生の経済分析」 )
1.ホームレスの規模と分布 • 少し古いが(現在、5年ぶりに全国調査を厚生労働省が実施中)、平成13年12月5日厚労省社会援護局取りまとめでは2万4千人。実数は3万~5万程度が有力。 • 東京23区、大阪市、横浜市、川崎市、名古屋市の5大都市に70%以上が集中。 • ただし、傾向としては周辺市町村を中心に面的に広がりつつある。
表2 調査地域別の状況 • 居住地は、公園、河川敷が大半。
2.ホームレス数の趨勢 • 経年比較は困難であるが、平成6・7年頃から急増した模様。最近は広域化。 • 後に述べるように、自立支援法施行後の各種対策の結果、現在はやや減少していると思われる。 東京都23区
大阪市内の主要公園におけるテント・小屋居住のホームレス数推移大阪市内の主要公園におけるテント・小屋居住のホームレス数推移
非定住者(日雇労働市場を中心に分布、駅舎周辺にも分布)非定住者(日雇労働市場を中心に分布、駅舎周辺にも分布)
職業へのアクセスが重要、食料環境、健康との関連性も高い。したがって、都市中心の商業地・住宅地と重なることになる。職業へのアクセスが重要、食料環境、健康との関連性も高い。したがって、都市中心の商業地・住宅地と重なることになる。 • ホームレス居住で住宅価格、家賃下落。 • 周辺住民との摩擦が必然的。
ホームレスの実像 • 厚生労働省全国ホームレス実態調査(2003年) • 鈴木亘ほか「墨田区ホームレスの特徴~実態調査の結果から~」, 2005年12月, 『季刊shelter-less』No.27, pp 125-141
全国調査より • 圧倒的な割合が男 表1 性別
表2 年齢分布(5歳ごと) • 年齢は中高年平均年齢は、55.9蔵。「50~64歳」が全体の65.7%を占める。
表2 問2 今の場所を寝(野宿)場所とするようになってどのくらいたちますか。表2 問2 今の場所を寝(野宿)場所とするようになってどのくらいたちますか。
表3 問3 どのようにして寝(野宿)場所を作っていますか。表3 問3 どのようにして寝(野宿)場所を作っていますか。
表4 問4 食事は1日どのくらい摂れていますか。最近一週間の状況を教えてください。表4 問4 食事は1日どのくらい摂れていますか。最近一週間の状況を教えてください。
表5 問5 初めて路上(野宿)生活をしたのは、どのくらい前ですか。表5 問5 初めて路上(野宿)生活をしたのは、どのくらい前ですか。
表8-1 問8 現在収入ある仕事をしていますか。表8-1 問8 現在収入ある仕事をしていますか。
表8-2 問8 現在収入ある仕事をしていますか。(「している」と回答した者の内訳)表8-2 問8 現在収入ある仕事をしていますか。(「している」と回答した者の内訳)
表9 問9 収入は月額どれくらいありますか。(ここ3ヶ月くらいの平均)表9 問9 収入は月額どれくらいありますか。(ここ3ヶ月くらいの平均)
表12 問12 同じテントで同居したり一緒に生活・移動をしている人はいますか。表12 問12 同じテントで同居したり一緒に生活・移動をしている人はいますか。
表13 問13 路上(野宿)生活で、とても困ったり、辛かったりするのはどのようなことですか。あてはまるものをいくつも選んでください。表13 問13 路上(野宿)生活で、とても困ったり、辛かったりするのはどのようなことですか。あてはまるものをいくつも選んでください。
表14 問14 路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事は何ですか。表14 問14 路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事は何ですか。
表16 問16 これまで一番長くやっていた仕事は何ですか。(主な仕事)表16 問16 これまで一番長くやっていた仕事は何ですか。(主な仕事)
表18 問18 今回の路上(野宿)生活をするようになった主な理由は何ですか。あてはまるものをすべて選んでください。表18 問18 今回の路上(野宿)生活をするようになった主な理由は何ですか。あてはまるものをすべて選んでください。
表19 問19 今回の路上(野宿)生活をする前に、住んでいたのはどこですか。表19 問19 今回の路上(野宿)生活をする前に、住んでいたのはどこですか。
表22 問22 これまで東京・山谷、横浜・寿町、大阪・釜ヶ崎、名古屋・笹島などで、仕事をしたり仕事を探したことがありますか。表22 問22 これまで東京・山谷、横浜・寿町、大阪・釜ヶ崎、名古屋・笹島などで、仕事をしたり仕事を探したことがありますか。
表23 問23 現在、どこか身体の具合の悪いところはありますか。表23 問23 現在、どこか身体の具合の悪いところはありますか。
表24 問24 現在、どのような持病や障害がありますか。表24 問24 現在、どのような持病や障害がありますか。
表34 問34 今後どのような生活を望んでいますか。表34 問34 今後どのような生活を望んでいますか。
表35 問35 現在、就職するための求職活動をしていますか。表35 問35 現在、就職するための求職活動をしていますか。
ホームレスの大半は単身の男、50歳以上の中高年、慢性疾患を持っている場合も多い。ホームレスの大半は単身の男、50歳以上の中高年、慢性疾患を持っている場合も多い。 • その多くは、常勤職から日雇を経てホームレスにいたるというルートで説明できる。 • ホームレスの多くは、怠け者という見方は虚像であり、就労率も高く、就労意欲も基本的に高い。 • 現金収入も持っており、乞食・物貰いではなく、自活している。
最近の調査になるほど以下の傾向がある。 • 常勤職・安定居住からいきなりのホームレス化 • 高齢化が進んでいる。野宿暦も長期化。 • 「高齢者の参入」も増加。
緊急一時保護センター・自立支援センターを利用したにも関わらず再路上化するケースが2割も存在している。緊急一時保護センター・自立支援センターを利用したにも関わらず再路上化するケースが2割も存在している。 • 高齢を主な理由として求職率が低くなる。今後望む生活にしても、高齢化を背景として、行政による軽い仕事の提供や生活保護の適用といった行政の支援を求める声が多い。 • 一方、ごく最近の調査(にじれん調査)では、若い層の存在も顕著になっている。
ホームレスの就労問題 • 鈴木亘「ホームレスの健康と就労」(2006年春季日本経済学会発表論文)HP掲載
データ(墨田区ホームレス実態調査) (1)調査方法 • (1)第一次調査 • ①調査地域 墨田区全域 • ②調査対象 墨田区内に起居する全ホームレス • ③調査期間 平成16年10月~11月 • (2)第二次調査(本調査) • ①調査地域 墨田区全域 • ②調査対象 第一次調査で把握されたホームレス • ③調査期間 平成16年12月
・墨田区委託調査。 • ・調査の実施は、NPOふるさとの会、研究者、緊急地域雇用創出特別対策推進事業費 を用いた元ホームレス調査員。 • NPOふるさとの会はアウトリーチや炊き出しを通じてこの地区のホームレスとのコミュニケーションを持つ。元ホームレス調査員の動員によりさらに信頼性が確保。 • 質問をプラカードにして恣意性を統御。
表Ⅰ-2 第一次調査:墨田区内のホームレスを把握する調査表Ⅰ-2 第一次調査:墨田区内のホームレスを把握する調査 表Ⅰ-3 第二次調査:墨田区のホームレス生活実態調査
賃金率(1日あたり収入)と労働日数の関係(対数)賃金率(1日あたり収入)と労働日数の関係(対数)