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X 線天文衛星 Suzaku 、および Chandra による銀河中心 大規模 X 線放射の研究. 物理第二教室宇宙線研究室 兵藤 義明. 赤外 可視 紫外 軟 X 硬 X. 10 - 24 10 - 21 10 - 18. 散乱・吸収断面積 (cm 2 ). τ>1. ~ 3keV. τ<1. 小. 10 1 0.1 0.01 0.001. 波長( μm ). 我々の銀河 ( 天の川銀河 ) の中心. 大. 地球. x. 太陽系から約 2.5 万光年の距離
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X線天文衛星Suzaku、およびChandra による銀河中心 大規模X線放射の研究 物理第二教室宇宙線研究室 兵藤 義明
赤外可視 紫外 軟X硬X 10-24 10-21 10-18 散乱・吸収断面積(cm2) τ>1 ~3keV τ<1 小 10 1 0.1 0.01 0.001 波長(μm) 我々の銀河(天の川銀河)の中心 大 地球 x 太陽系から約2.5万光年の距離 ⇒最近傍の銀河の中心 (巨大ブラックホール) 銀河中心 2.5万光年 我々の銀河系(想像図) • 物質が最も多い(6x1022cm-2)方向= 星間吸収が激しい方向 ⇒可視光では全く見通せず, 電波、赤外、硬X線で観測可能
X線でみた銀河中心 • 「ぎんが」、「あすか」による鉄輝線の発見。 • ・高階電離鉄輝線は500光年×1000光年にわたり一様に分布。 • ・中性鉄輝線は分子雲の分布に一致。→X線反射星雲 • ⇒中心核は300年前は現在(1033erg/s)の100万倍明るかった。 • 高階電離鉄輝線の放射過程は?そのエネルギー源は? • 「中心核(巨大ブラックホール)は昔明るかった」は本当か? 300光年 高階電離鉄輝線 中性鉄輝線
X線天文衛星Suzaku とChandra 1999年10月打ち上げ(アメリカ) 2005年7月打ち上げ(日本) SuzakuとChandraは相補的。 • 大きく広がった放射の分光 →Suzaku • 細かい構造 →Chandra
Fe Ar Ni S Ca Si Suzaku による銀河中心の観測 S XV Kα S XV Kβ Si XIII Kα S XVI Kα Si XIII Kβ Si XIV Kα ASCA90時間(Koyama et al. 1996) ↑Suzakuの51時間の観測によって得られたスペクトル • これまでより短時間の観測で過去最高質のスペクトルの取得に成功! Chandra170時間(Muno et al. 2004)
1.電子捕獲 1s2p1P1 Hi-res. CCD 1s2p3P0,1,2 共鳴線(r) 6.703keV 2.高温プラズマ 禁制線(f) 6.639keV Δl=1,Δs=0 1s21S0 Δl=0,Δs=1 Fe24+の微細構造 6666 f r • 電子捕獲ならば禁制線がもっとも強い。→輝線中心は6666eV • 衝突電離プラズマならば共鳴線がもっとも強い。→輝線中心は6685eV 6639 6685 6703 高階電離鉄輝線の起源は? 1.電子捕獲説 中性水素 Fe25+ 6.7keV輝線 2.衝突電離プラズマ説 Fe24+ 6.7keV輝線 →輝線中心エネルギーから見分けられる!
Suzaku のスペクトルでは 6679eV±1eV 6.7keV輝線強度分布 銀河中心 6.4keV輝線強度分布(低温分子雲) • 6685eV(衝突電離プラズマの実験値)とはわずかに6eVのずれ。 • 空間分布も電子捕獲では説明困難。 100光年 どちらも衝突電離プラズマを支持!
プラズマの温度と空間分布 Fe24+ Kα Fe25+ Kα Fe24+ Kβ 6.7keV輝線強度分布 6 7 8 • 電離温度、電子温度ともに~7keVを示す。 6.4keV輝線強度分布(低温分子雲) • 電離平衡にあると考えて矛盾なし。 • l=-0.4~+0.1°では温度はほぼ一様。
250光年 銀河中心 Sgr C G359.42-0.12 10光年 高温プラズマの起源は? • 高温プラズマの総エネルギーは1053-54erg(=数百×超新星爆発)、拡散のタイムスケールは10万年。若い超新星残骸が数10個見つかれば説明可能。 • Chandra によるSgr C領域の観測から熱的(~1keV)プラズマスペクトルの新天体を発見。 ⇒超新星残骸 • 近年、銀河中心付近の深い観測(~100ks)を行った領域から続々と新しい超新星残骸を発見。(2000年以降すでに5個目) 高温プラズマの総量(1053-54erg)を超新星爆発で説明できる可能性が見えてきた。
Chandra によるSgr C領域の観測 • これまでに知られていたSgr C分子雲以外に新天体M359.47-0.25を発見。 Sgr C分子雲 M359.47-0.25 • いずれからも強い中性鉄輝線を検出 • しかし、いずれにも内部や周囲に明るい天体は存在せず。→X線反射星雲 6.4keV輝線強度分布(カラースケール)とCS分子輝線強度分布(コントア) • Sgr C分子雲の6.4keV強度は銀河中心は250年前は~1039erg/sだったすると説明できる。⇒Sgr B2の結果と一致。
まとめ • X線天文衛星SuzakuとChandraを用いて銀河中心領域を観測した。 • 高階電離鉄イオンの輝線中心エネルギー、強度の空間分布はいずれも衝突電離プラズマ説を強く支持。 • 新たな超新星残骸を発見。→銀河中心プラズマは多重超新星爆発で説明できることを支持。 • Sgr C分子雲がX線反射星雲であることを確認。銀河中心は250年前には現在の100万倍明るかったと考えられる。
Chandra によるSgr C領域の観測 • これまでに知られていたSgr C分子雲以外に新天体M359.47-0.25を発見。 Sgr C分子雲 M359.47-0.25 • いずれからも強い中性鉄輝線を検出 • しかし、いずれにも内部や周囲に明るい天体は存在せず。→X線反射星雲 6.4keV輝線強度分布(グレースケール)とCS分子輝線強度分布(コントア) • Sgr C分子雲の6.4keV強度は銀河中心は250年前は~1039erg/sだったすると説明できる。⇒Sgr B2の結果と一致。