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小テスト解説. 半径1kmの円筒状(空き缶のような形)のスペース・コロニーがある。円筒部分の居住スペースに 地上と同じ 9.8 m/s 2 の重力(本当は見かけの力である遠心力)を発生させるためには、 コロニーの角速度はいくらにすればよいか?またその時の回転周期はいくらか?. スペース・コロニーの(擬似)重力発生の原理. 振り回されているバケツに入った水は 遠心力でこぼれない。 同じことを無重力空間で行っても やはり、水は遠心力でこぼれなない。. 慣性系でみると、 バケツの水は、バケツの底から 力(向心力)を受け円運動をしている バケツの系でみると、
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小テスト解説 半径1kmの円筒状(空き缶のような形)のスペース・コロニーがある。円筒部分の居住スペースに 地上と同じ 9.8 m/s2の重力(本当は見かけの力である遠心力)を発生させるためには、 コロニーの角速度はいくらにすればよいか?またその時の回転周期はいくらか? スペース・コロニーの(擬似)重力発生の原理 振り回されているバケツに入った水は 遠心力でこぼれない。 同じことを無重力空間で行っても やはり、水は遠心力でこぼれなない。 慣性系でみると、 バケツの水は、バケツの底から 力(向心力)を受け円運動をしている バケツの系でみると、 バケツの水は底から受ける力と 見かけの力である遠心力がつり合って バケツ内で静止している。 バケツ内の人間は 床から力を受けているのに静止しているので (力を受ければ、力を受けた方向に加速する) 足元の方向に(逆向きに)自分を引っ張る力が 存在すると感じる。 これは、地上に立っている人間が、 床から力を受けているのに 重力が働くため、静止しているのと同じである。 状況は地上と全く同じなので バケツ内の人間は、下向きに 重力が働いているように感じる。 角速度と回転周期の計算 向心力大きさ=遠心力の大きさ なので 向心力が重力と同じになるとして計算する。 mrw2 = mg rw2=g 1000×w2 = 9.8 w2 ≒ 0.0098 w ≒ 0.099 角速度:w = 0.099 [1/s] 2p w T = 2p 0.099 T = T ≒ 63 [s] 第21回 (9/13) 1ページ
居住スペースにいる人間の運動を慣性系と、コロニーに固定された座標系で説明せよ。居住スペースにいる人間の運動を慣性系と、コロニーに固定された座標系で説明せよ。 慣性系 コロニーに固定された座標系で説明せよ。 コロニーの回転方向 コロニーの回転方向 床が人間を押す力 遠心力 人間 人間に働いている力は床が人間を押す力だけ 人間は、床からの力(向心力)を受けて 等速円運動をしている。 実際に人間に働いている力は、 「床が人間を押す力」だけである。 回転座標系においては、さらに「遠心力」 (大きさが mrw2で外向きの力) が働く考え、この2つの力が打ち消し合い その合力は 0になっている。 合力が 0なので、静止している人間は (コロニー内で)静止し続ける。(慣性の法則) プリンストン大のオニールが提唱した シリンダー型スペースコロニー 形 状 : 円筒状 居住人員 : 100万人 サ イ ズ : 長さ33~km;直径6.5~km 自転周期 : 114秒(1~G) 昼 夜 : 地上と窓が交互に3つずつ 構造物重量: 3000万トン以上 第21回 (9/13) 2ページ
コリオリの力の式: F = 2mv’×w (9.6) について ベクトル積 C = A×B 大きさ:回転座標系の角速度w 向き:回転の向きに右ねじをまわすと ねじの進む進む向き コリオリの力 C 回転座標系における速度 「参考(9.6)式の証明」(教科書p106~107)は間違っています。 式の証明は複雑なのでこの講義では、省略します。 B A Cは A, Bに垂直。Cの向きはAからBに 右ねじを回した時に右ねじの進む向き、Cの大きさは |A| |B| sin q 問題(地球の自転によるコリオリの力はどの程度の力なのか?) ① wを求めよ 2p/(24*60*60) ≒ 7.3×10-5 [1/s] ②北緯37度の富山で、松坂が北に向かって水平に時速 144 km/h(40 m/s)のボールを投げた。 ボールに働くコリオリの力による加速度はいくらか?sin 37度 = 0.6、cos 37度 = 0.8 とせよ。 F = 2mv’×w = 2mwv’ sin q q:回転軸と速度 v’ のなす角 F = 2m×7.3×10-5×40 sin 37度 = 0.0035 m = ma a = 0.0035 [m/s] ③松坂の玉は40 m進む間に、コリオリの力によりどちらにどれだけずれるか (ボールの軌跡は放物線を描くが、ボールは水平に飛んだとせよ。) 40 m 進むのに1秒、V=at x = ½ at2 = ½ ×0.0035 = 0.0018 [m] 約1.8 mm ④コリオリの力は速度に比例するが、富山において北に進む物体に 重力と同じ加速度が生じる速度はいくらか 40×9.8/0.0035 = 9100 m/s ⑤松坂が東に向かって水平に玉を投げると、コリオリの力はどちらの向きに働くか? 参考:戦艦の砲弾もコリオリの力を考慮しないと敵艦に当たりません。 どの程度ずれるか興味のある人は計算してみてください。(大和主砲で100 m程度の違い) 第21回 (9/13) 3ページ
フーコーの振り子 小さい単振り子は、空気抵抗等で すぐに止まってしまうが、 大きな振り子は長い時間振れ続ける。 慣性系では、振動方向(振動面)は不変だが、 地上では振動方向がゆっくりと変化する。 これは、地球が自転しているためである。 振動方向の変化量は北極と南極で1周/日 赤道上では、振動方向は変化しない。 問題 北極点にあるフーコーの振り子の振動方向がずれていく現象を、 慣性系と地球に固定された座標系で説明せよ。 慣性系 地球に固定された座標系 第21回 (9/13) 4ページ
(再考)問題A 赤道上を東へ飛ぶジェット機内と西へ飛ぶジェット機内で同じ人(質量60kg)が体重を測定した。 どちらがどれだけ重いか? ジェット機の速度を時速 900 km/s = 250 m/s とし、地球の半径は 6400 km とする。 [解答] 自転の速度は、(2pr ≒ 40000 km)/1日=40000 km/86400 s ≒460m/s(東向き) mv2 r 慣性系から見た東向きに飛ぶ飛行機の速度: 東向きに460+250=710 m/s 遠心力 4.7 N 慣性系から見た西向きに飛ぶ飛行機の速度: 東向きに460-250=210 m/s 遠心力 0.41 N 問題B 赤道上を東へ飛ぶジェット機内と西へ飛ぶジェット機内で、同じ人(質量60kg)に働くコリオリの力を求めよ (回転座標系(地球)において運動する物体(人間)に働くコリオリの力) ジェット機の速度を時速 900 km/s = 250 m/s とし、地球の半径は 6400 km とする。 F = 2mv’×w F = 2mv’w = 2*60*250*0.000073 = 2.2 [N] 東向きに 250 m/s で運動する人間(質量 60 kg)に働くコリオリの力:上向きに 2.2 N 西向きに 250 m/s で運動する人間(質量 60 kg)に働くコリオリの力:下向きに 2.2 N その差は 4.4 N。上の結果と同じ(計算の誤差の範囲内で) まとめ 問題Aは、飛行機に固定された座標系(非慣性系)で静止している物体に働く遠心力を求めた。 問題Bは、地上に固定された座標系(非慣性系)で運動している物体に働くコリオリの力を求めた。 問題Aは、2つの場合の差を、慣性系(宇宙)から見た飛行機の速度の差による遠心力の大小ととらえた。 問題Bは、2つの場合の差を、コリオリの力の差としてとらえた。 どちらも正しいので、どちらで考えてもよい。 第21回 (9/13) 5ページ
月は、なぜ片側(表側)しか見えないのか(第1回)月は、なぜ片側(表側)しか見えないのか(第1回) 表側 裏側 潮汐(満潮・干潮) 干潮 月は地球の周りを回っているが、 地球は静止しているわけではない。 月も地球も、その質点系の重心を 中心として、円運動している。 (重心は地球の中、表面近く) 地球の月に近い側は、月の重力で脹らみ、 反対側は遠心力で膨らむ。 潮汐は太陽との引力・公転でも起こるが、 月の半分程度。二つが重なると 大潮(満月・新月の頃) 海水 月 地球 満潮 月の引力 満潮 月の引力 遠心力 重心 一番大きい力である 地球の重力は書いてない。 (実際の満潮・干潮の時間は海水の慣性・海流・地形等の影響を受ける) 満潮と干潮は、それぞれ1日に2回づつある。 干潮 月には水はないが、月自体が上のように変形する。 公転運動 地球 月 地球の引力 地球の引力 公転による 遠心力 公転による 遠心力 自転 一番大きい力である 月の重力は書いてない。 第21回 (9/13) 6ページ
月の変形には時間がかかり、変形の方向は、地球-月の方向と実際はずれている。月の変形には時間がかかり、変形の方向は、地球-月の方向と実際はずれている。 例:公転周期より自転周期が速い場合 公転運動 地球 月 地球の引力 自転周期の方が速い場合、地球の引力と公転による遠心力が 自転にブレーキをかける方向のトルク(力のモーメント)となる。 上のしくみで、月の自転にブレーキがかかるが、質点系の角運動量と運動エネルギーは保存する。 自転の角運動量やエネルギー → 公転の角運動量やエネルギー・重力による位置エネルギー 地球の自転速度も同じ理由で、5万年に1秒の割合で遅くなっている。 1億8000万年後は1日は25時間になる。 昔は、地球の自転はもっと速く、月はもっと地球の近くにあった。 ブランコ(第9回) ②の位置で存在する主な力を書き出したが どれも揺れの方向に垂直なものばかり。 後ろから人が押せば、揺れの方向に加速できるが 乗っている人はいったいどうやって自力で漕げるのか? ① ③ ② 第21回 (9/13) 7ページ
エネルギー保存則を用いた考察 ②において立ち上がる時にする仕事は、①において、しゃがみ込む時に回収するエネルギーより大きい。なぜなら②の地点では重力+遠心力が人間に作用しているが、①では重力のみ(正確には、重力×sin q)だからである。よって①でしゃがみ込み②で立ち上がれば系にエネルギーを注入でき、それが振動のエネルギー源となる。 角運動量保存則を用いた考察 ②の位置で立ち上がれば、人間の重心と支点間の距離 rが小さくなる。角運動量はmrw なので角運動量を保存するために、角速度 w が大きくなる。スケートの選手がスピンの際に手を縮めて角速度を大きくするのと同じ原理である。ブランコの振動は、長い時間スケールで見ると角運動量は保存していないが、短い時間で考えると保存している。衝突球の考察の時にも説明した。 ③ ① ② 重心の運動 ①の位置でしゃがみこむ。 ②の最下点付近で立ち上がる。 ③の位置では立った状態。 ①の位置へ戻る時も立ったまま。 ①の位置でまたしゃがみ込む。 以下繰り返し 究極のこぎ方 理想的な漕ぎ方 本来なら③から①へ戻る時にも図のように加速できるが、人間の体は前後非対称であることも関係して、戻る時に加速することは難しい。不可能でないので興味がある人は試してほしい。 ③ ① ② 重心の運動 紐とおもりによる実験参照 第21回 (9/13) 8ページ
アンケート 物理は好きですか。適当なものに○をつけて下さい とても好き 好き 普通 嫌い とても嫌い この講義を受ける前と比べると物理は好きになりましたか。適当なものに○をつけて下さい 好きになった 変わらない 嫌いになった この講義のレベルはどうでしたか。 とても簡単 簡単 普通 難しい とても難しい 来年は、改善した方が良いと思うことを書いて下さい その他、感想等何でも自由に書いて下さい。 切り取り線 出席表 学科学生番号: 氏名: 第21回 9月13日