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電子を詰める(復習)パウリの排他律とフントの規則. 電子の運動・・・軌道運動( n 、 ℓ 、m ℓ )+自転運動(スピン 運動) スピン運動を規定する量子数・・・ スピン量子数 ( s=+1/2, -1/2) アップスピン、ダウンスピン。磁場により エネルギーは 2 本に分裂する。. パウリの排他律 二つの電子は 4 つの 量子数を同一にできない・・・一つの軌道上の電子はアップとダウンの 2 個の電子. フントの規則 同一エネルギ-の縮退軌道には、同じ向きのスピンを極大まで入れる. 磁場ナシ. O. F. Ne. Be. B. C. N. 磁場アリ.
E N D
電子を詰める(復習)パウリの排他律とフントの規則電子を詰める(復習)パウリの排他律とフントの規則 電子の運動・・・軌道運動(n、ℓ、mℓ)+自転運動(スピン 運動) スピン運動を規定する量子数・・・スピン量子数(s=+1/2, -1/2) アップスピン、ダウンスピン。磁場により エネルギーは2本に分裂する。 パウリの排他律 二つの電子は4つの量子数を同一にできない・・・一つの軌道上の電子はアップとダウンの2個の電子 フントの規則 同一エネルギ-の縮退軌道には、同じ向きのスピンを極大まで入れる 磁場ナシ O F Ne Be B C N 磁場アリ 3重縮退p軌道 2s軌道 1s軌道
E=-a/n2の関数 • E • E=0 自由電子 • 1 • 2 • 3 • M殻(電子18個)3s 2個, 3p 6個, 3d 10個 • L殻(電子8個)2s 2個 • 2p 6個 • K殻(電子2個)
アルカリ金属元素とハロゲン元素のイオン化 イオン化(ionization) v s軌道 H, Li, Na, K, Rb, Cs v s軌道 H, Li, Na, K, Rb, Cs – 電子構造は不活性ガス型電荷は +1価 陽イオン(cation) 水素、アルカリ金属元素 v v イオン化 F, Cl, Br, I, At F, Cl, Br, I, At + p軌道6eで満席 p軌道 電子構造は不活性ガス型電荷は–1価 陰イオン(anion) ハロゲン元素
電子式 例 L殻電子(n=2)の元素 s軌道、p軌道を考えず、元素記号の周囲に8電子までを記す。一個の丸は不対電子を示し、2個揃うと電子対を形成したとする(共有電子対、非共有電子対)。 B C O O O N N N N F Be Li Ne H H H+ 2H H O H H + ヒドロキソニウム H3O+ H2O 配位結合(coordination bond) 共有結合(covalent bond) H H H+ 3H H H H + アンモニウム H H NH3 NH4+ 共有結合、配位結合は、結果として、等価である
2-2章 化学結合 ●原子や分子を結びつける機構は何か 目的: ●結び付きを解き放つにはどうすれば良いのか ●解き放ったら何が起こるのか ●どの様に結びつけると、どの様な構造・機能が生じるのか は、化学の4命題「結合」、「反応」、「構造」、「機能」の視点であり、原子や分子の中の電子が主役である。 これらの命題のうち 「原子や分子を結びつける機構は何か」を3章以降で説明する。ここでは結合の分類と内容を概説する。
石炭酸フェノール 過塩素酸 硝酸 アニリン 1)構成原子(H, Na, Cl)または分子(HNO3, HClO4, C6H5OH, C6H5NH2), が、電子(整数・・端数の場合は下記の電荷移動力を参照)又はプロトンを授受し、 2-2.1.結合の種類 ●イオン結合: 2)原子および注目している原子団(NO3, ClO4, C6H5O, C6H5NH3)やその原子が安定な希ガス型電子配置(または分子軌道が閉殻安定電子構造)をとるように陽イオン(cation)または陰イオン(anion)となり、 3)反対イオン間のクーロン静電引力が働いて結合が安定化する[Na+···Cl, Na+···NO3, Na+···ClO4, C6H5O···Na+, C6H5NH3+···Cl]、大きな分子イオン、巨大なクラスターイオンのイオン結合もある
酸(acid)と塩基(base) 塩(salt) NaOH + HNO3 NaNO3+ H2O NH3 + HClNH4Cl アンモニウムクロライド C6H5NH2+ HClC6H5NH3Cl アニリニウムクロライド H+移動 CH3+移動 Mo6Br142クラスター(Moは緑色、Brは内部に8個(青)、外部に6個(赤)ある
NaCl, CsClの結晶格子 NaCl CsCl
●ファンデルワールス(van der Waals)結合 構成原子または分子が接近して電子雲がある程度重なり合い、結合力が発生する: 瞬間的電場の発生(分散効果)、ダイポールモ-メントによる電子雲の分極(誘起効果、配向効果)による 重原子間(I···I、S···S)、ヘテロ原子間(S···N)、電子間(···)なども、この結合に属す。水素、酸素、窒素を冷却すると液化する。また、二酸化炭素炭酸はドライアイスとなる。これらの液体・固体中の分子間に働く力がファンデルワールス力である。 ヘテロ原子:炭素、水素以外の原子で一般に、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン 電子:?????? レポート作成
●水素結合 水素原子Hが電気陰性度の大きな原子Xと作る結合 H···X 分子内の原子Xが、電子を引き付ける強さは、原子の種類ごとの相対的なものとして、その尺度を決めることができる。この尺度のことを電気陰性度と言う(表)。一般に周期表の左下に位置する元素ほど小さく、右上ほど大きい。 電気陰性度の差が1.7以下の原子間の結合は共有結合性が支配的であり、それ以上の場合はイオン結合性が支配的になる。表中の色をつけた原子は、水素より電気陰性度が高く、水素結合を形成する。他に、XH・・電子, CH・・電子, CH・・n電子なども水素結合である。 表 ポーリングによる原子の電気陰性度
●共有結合 原子同士で互いの電子を共有することによって生じる化学結合。結合は非常に強い。単原子分子は除き分子は共有結合によって形成される。配位結合も共有結合の一種 無機化合物に比べ有機化合物の種類は多く、無尽蔵に増え続けている。2007年の段階で化合物は9300万種が知られ、その90%は有機物である。この種類の多さは、炭素特有の共有結合に起因するところが大きい(炭素骨格の長さ[メタン、エタンと炭素数を増やしたCnH2n+2のアルカン系鎖状炭化水素に上限はない。ただし、現在の技術での高分子は分子量の一定しない混合物]、分岐の多様性、単結合、2重結合、3重結合に関して制限がない)。種々の元素(N, P, O, S, Se, F, Cl, Br, Iなど)が炭素に結合し多様な官能基を形成する。ほとんど無限といってさしつかえのないほどの有機化合物の多様性は、生物の構成要素としての化学物質に必要な性質である。
Chemical Abstract Service 1965 > 20 万2002 > 3700万2007 > 9300万
●配位結合 結合を形成する2つの原子の一方からのみ結合電子が提供される化学結合である。孤立電子対を持つ電子対供与体(ルイス塩基)から電子対受容体(ルイス酸)となる原子へ、電子対が供給される。 オクテット則を満たさない第13族元素(B, Al)の共有結合化合物は、強いルイス酸であり配位結合により錯体を形成する。あるいは遷移金属元素の多くは共有結合に利用される価電子の他に空のd軌道などを持つ為、多くの種類の金属錯体が配位結合により形成される。NR3とBF3でできる化合物の窒素上の孤立電子対(2個の赤点)がBの空いている軌道に入って配位結合をする。この時、配位結合を電子対供与体から電子対受容体へ→で示すことがある。H3O+、NH4+は配位結合でできるが、H3O+の3本の結合、NH4+の4本の結合はイオンの中で等価(共有結合)である。
●金属結合 金属原子(Naなど)の原子核が周期的な位置に固定され(熱振動している)結晶格子を作り、金属原子の最外殻の電子が結晶中をほぼ自由に動き回ることに伴い、クーロン力と量子力学的安定化(非局在化による安定エネルギー)により結晶ができる。 非局在化(delocalization): 例1)Naのs軌道の電子は、原子核から放出(イオン化)されて、Na++eーとなり、電子は特定の原子核に束縛されるのではなく、結晶全体を運動する。 例2)ベンゼンのパイ電子は、炭素原子に束縛されず、6個の炭素原子が形成する六角形骨格を動き回る。
●電荷移動化合物 配位結合は2電子、共有結合は1電子の授受で結合ができるが、整数でない電子の授受による生じる化合物群がある。電子供与体(D)から電子受容体(A)への電荷移動により生じる電荷移動化合物で、構成成分とは異なる深い色、電気伝導性、磁性を示す。 D + A → Dd+···Ad 電荷移動量(d)は0以上で本質的に上限はない。 d =0の場合、分子間の相互作用は主にファンデアワールス力、水素結合である。 d =0.5以上より不対電子(ラジカル電子)を含む成分が量子力学的に介在し、結晶では高導電性、金属性、超伝導を示す錯体となる。結晶の安定化は、ファンデアワールス力、水素結合、クーロン力、ラジカル電子が結晶中を動くことによる量子力学的安定(金属結合)の混合である(これらを総合して電荷移動力という)。フラーレンC60の超伝導体 [(K3)3+···(C60)3]、高導電性ポリアセチレン(Li ドープ)、Li2次電池、黒鉛層間化合物C8Kなどで、 d =0.5以上の結晶はイオン結晶に分類されてよい。
2-2.1.結合の種類(まとめ) ●イオン結合 ●ファンデルワールス結合(分子性結合) 水素結合 ●共有結合 ●配位結合●金属結合 電荷移動(イオン結合+vdW結合+共 有+配位+金属)
2-2.2 HOMO, LUMO, Ip, Ea縮退閉殻、開殻 ベンゼンでは6個の炭素のp電子がベンゼン環中を動き回り、孤立したp電子が持つエネルギー(図中の左の一本の横線、縦軸eは軌道エネルギーで下の方が安定)と、ベンゼン骨格中でのエネルギー(右側の6本)を示す。 6 4,5 分子軌道(molecular orbital):炭素原子の集合でベンゼン分子骨格ができ、孤立炭素原子のエネルギー準位よりも低い電子軌道が生じ(電子がより大きな場を動くことによる安定化)、そこに電子が入り込むことにより原子集合(分子)の電子軌道が出来上がる。 1~6 2,3 1
HOMO(highest occupied molecular orbital): 電子が入っている一番上の分子軌道(図右2,3の軌道)。ベンゼンでは、軌道2と3が同一のエネルギーであり、二重縮退(縮重)という。 LUMO(lowest unoccupied molecular orbital): 電子が占めていない一番下の分子軌道(図右4,5の軌道、二重に縮退している)。
0 Ip EA イオン化ポテンシャル(イオン化電圧、Ip)、電子親和力(EA) 原子・分子をイオン化(Cation, Anion)するに必要なエネルギー 電子が自由な状態にある時のエネルギーを基準(真空準位、図2.5の水素分子(下図左)での右側の尺度)としたHOMO軌道(分子の場合)のエネルギーで、このエネルギー以上の光を分子に照射すると電子が外界に出る(下図右、赤矢印)。一方、LUMO軌道のエネルギーは電子親和力で示され(右図青矢印)、系に電子を入れると、EAに相当するエネルギーが出る。
閉殻構造、開殻構造:K,L,M,N,O殻に入る最大数の電子は各々、2,8,18,32,50であり(下表、黄色部分)、それに満たない電子数の原子は開殻(電子)構造を持つと言い、主に最外殻にある電子(価電子)が反応に寄与して、不活性ガスのように満杯の閉殻(電子)構造になろうとする性質をもつ。閉殻構造、開殻構造:K,L,M,N,O殻に入る最大数の電子は各々、2,8,18,32,50であり(下表、黄色部分)、それに満たない電子数の原子は開殻(電子)構造を持つと言い、主に最外殻にある電子(価電子)が反応に寄与して、不活性ガスのように満杯の閉殻(電子)構造になろうとする性質をもつ。
最も重要な電子の軌道 y s軌道 py軌道 pz軌道 px軌道 第1~第2周期元素 電子充填 B C N F O Ne y Be Li x He H 3重縮退p軌道 2s軌道 1s軌道